stand by you~ポエムくさくなってしまう愛すべきお茶目な俺を添えて~
誰もいないプールサイド。
必死に机に向かう小学生。
陳列数の少ないアイス。
居心地の悪そうな風鈴。
午後6時、少し薄暗くなった街。
その何処かにある歩道橋の上で僕は一人佇んでいた。
夏色が居心地悪そうに風に乗って流れていく。
彼らは少し悲しそうな顔をしてバトンを次走者へと渡す。
僕はメガネが歪んでいることに気がつかなかった。
見えている風景がそんなに変わっていなかったから。
気温はそのままにいつの間にかあいつは衣替えをしていたようだ。
夜空の向こうでは木々たちが真っ赤なドレスをタンスから引っ張り出していた。
時の流れは、はやい。この調子だとクリスマス・イブが来るのも
すぐだろう。
もう少しそばにいて欲しかったがしょうがない。
だが、悔いのないように過ごしたつもりだ。
今年のような夏は二度とこないだろう。
もう二度と・・・・・。
ひとりよがりと言われようとも気にしない。
少し、根底にあるものを覆さない程度に耳は傾けておく。